何故 こうまでして父を欲しがったのかすら 分からない







只 分かる事は 父、黒羽盗一を黒羽快斗は愛しているという事だけ













―― 背徳者の烙印 ――















何の変哲も ない


筈だった。












あれから。

たったの数日しか経っていなかった 日。








黒羽盗一は 快斗の居るこの世界から 永遠に帰ってくる事の出来ない場所へと旅立った



















「快斗・・・くん?」







そこには

今までの溌剌とした、あの人一倍元気な快斗の面影は全く無く。







快斗がいつもの笑顔を消すと 綺麗過ぎて

さながら、精巧に作られた人形のようだった。


















そこにあったのは ドール


かつて 快斗という名だったものの 抜け殻







生きているのか心配になり、目を覗き込んでみると














わらった



















「とう・・・さん?」







意識が混濁し、優作を自分の父と見誤っているのだろうか。

そんな快斗を不憫に思い、こんな理不尽な世の中を罵りたくなりながらも、意を決して快斗に真実を告げる。







「快斗君・・・。盗一は・・・君の父親は亡くなったんだ」


「ねぇ、父さん。約束・・・覚えてる?」







妖しくも艶めかしく、誰もこの誘惑には逆らえる者などいやしないだろう。

少なくとも、私はそうだった。







誰よりも父を愛し 全てを捧げた少年は 今 誰をも愛し 誰も愛さない







そして 今日も







紅く紅く 絡め取るように 何よりも艶やかに頬笑む 















その肌に 背徳者の烙印を散らしながら
















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