― POP’n lovers ― 前編
眼鏡を光らせ、ランドセルしょった怪しげな坊主に待ち伏せされていたら、貴方はどうしますか?
俺的選択→逃げる。
「ちょっと待てぇええええ!!!!」
「待たない、つか誰だって逃げるっての〜〜〜っ!!」
「というか、江戸川君、いつから黒羽君のストーカーになったの?」
「あ、哀ちゃんだぁ〜っ!」
愛らしい容貌の少女を見つけ、コナンの追撃を素晴らしい身体能力でかわし、縋るように駆け寄った。
「なぁなぁ、あいつどったの?何、なんか変なもんでも食った?」
ひそひそと小声で話す俺を見て、クスッと笑う哀ちゃんが何故か子悪魔に見えた。
「ふふ、黒羽君も大変ね。・・・江戸川君、絶倫だから気をつけて。」
何がですかーーーーーーっ!!???つか、哀ちゃんてばどこまで知ってるの!?
ガクガクと震える肩を抱きしめて、快斗はその場へ崩れ落ちそうになった。
それが、ふっと楽になる。
誰かの手が、快斗の腰を支えていた。
「は、白馬?」
日本人離れした容姿を持つその男は、身長も俺より高くむかつくが、何より俺をいつもキッドだと疑っていちゃもんつけて来やがる鼻持ちなら無い奴だ。
「黒羽君、どうしたんですか?まさか、そこにいる江戸川君・・・なわけないですよね」
白馬はそう言って意味深にちらり、とそちらを見た後、ありえないといった風にフッと鼻で笑った。
「ああ!?何言ってやがんだ。今の時代はショタ攻めなんだよ!オメーみてーな一昔前の奴の出る幕じゃねぇ!!」
何?何の話!?と、快斗はパニック寸前だ。
「まさか、快斗・・・オメーこんな奴と出来てるんじゃねーだろーな」
「ハァッ!?んなわけねーだろ!なんで俺がこんなホームズコスプレヤローと出来なきゃいけないんだよ!?」
ビシッと白馬の顔に指をつきつけるさまは、探偵である新一や白馬も真っ青なアクションだ。
「それより黒羽君、いいの?貴方、まだその彼に腰を抱かれているけれど・・・」
「っぎゃぁああああっ!!」
涼やかな哀の声が掛かったと共に、快斗は己の腰に巻きついていた無駄に長い白馬の腕をペイッと引き剥がした。
「白馬、お前、俺なんかに手ぇ差し伸べてんじゃねーよっ」
一瞬、訪れる沈黙。
しまったと思うが、もう遅い。
「・・・それは、どう解釈すれば良いのですか?」
「そのままの意味よ。」
「灰原さん?」
「あなたには、無理よ。そのままの意味で取りなさい」
「・・・・・・なら、誰なら」
言いかけて止めた白馬が、言葉を途切れさせた後、その場に沈黙が下りる。
それを早々に切り替えたのは、話題に上っていた快斗自身だった。
「や、俺が悪かったんだって。支えてくれたんだから、礼言うべきだったのに・・・な。
ゴメンな、白馬。さっきは助かった。サンキュっ!」
「こいつに礼なんか言う必要無いだろ。黒羽の腰が抱けたんだ、俺が代わってやりてーくらいだ」
というか、俺に代わらせろ、と先程言いたかったのが透けて見えるコナンの目は、目は口ほどに物を言うを実践していた。
「僕は黒羽君が一人では立ってい辛そうでしたので、支えてあげていただけなのですが・・・」
苦笑するように白馬がそういうのを聞いて、哀が眉を微かに上げた。
「本当にそれだけなのかしら?」
「それは、どういう意味なんですか?」
白馬と哀の間に、パチパチと火花が見えるのは気のせいだろうか。
快斗は、俺の平穏カムバーックと、ヤンキー座りしながら嘆いた。
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