年下の彼氏も素敵じゃ・・・ないかもしんない。
― POP’n lovers ― 後編
その時、じゃり、と土を踏みしめる靴が見えた。
見上げると、コナンの碧眼とぶつかった。
「な、何・・・?」
「お前、無用心過ぎんだよ。オメー、本当にあの白い鳥かよ?」
あいつが下心丸見えなのわかんねーのか?とブツブツ言っている。果てしなく怖い。
「まぁ、俺が無用心かどうかはしんねーけど、少なくとも俺は普通の高校生だぜ?」
裏の顔なんて何にもない、と笑ってみせると、じっと、その蒼眼が俺の瞳を射抜いてきた。
「それ、わざとやってんのか?」
此方を見詰めるコナンの、その掛けているメガネが光った様な気がした俺は、恐る恐る声を掛けてみる。
「コナン、ちゃん・・・?」
「ちゃん付けするなぁぁあっ!!・・・それと、俺の事は新一って呼べって言ってんだろ?」
後半、急に耳元で低い声で囁かれた快斗は、ゾクッとして後ずさった。
「そ、それやめろよ・・・っ」
「オメーが先にコナンちゃんなんて呼ぶからわりーんだろうが」
「だ、だって・・・」
光ったメガネが怖かっただなんて言えない。
「俺は、お前の事が好きだ。だから、ぜってー俺が捕まえて俺専用の鳥篭の中に放り込んでやる。
警察になんか渡して、刑務所ん中なんて入れてやるつもりはない」
そう。
数週間前、これと全く同じ事を言われて、俺は逃げ出した。
なのに、しつこくしつこくしつこーーーーーくコナンは快斗の後をつけ回すのだ。まるでストーカーの如く。
その所為で、怪盗のお仕事の準備もやり辛くて仕方が無い。
「だーかーら、俺はそんな警察に捕まるような事はしてないし、坊主の変態趣味に付き合いつもりも無いんでね」
「だけど、快斗のやんちゃには先生も怒ってるよー。警察沙汰にならないからってそんなん駄目なんだから!」
「わっ!あ、青子!?」
にょっと、快斗の肩に手をついて顔を覗かせた青子に二人とも驚きつつ、そういえばあいつらは・・・と、先程まで火花を散らして冷戦を繰り広げていた二人を見遣る。
「私も、白い鳥さんを鳥篭に入れて愛でてみたいわ。今度、美味しいケーキを用意するからいらっしゃい」
「哀ちゃんてば・・・。でも、ケーキかぁ〜」
ケーキに釣られそうな快斗に誰もがツッコミを入れたい気分になった。
あの怪盗キッドがこんなに警戒心が薄くて大丈夫なのだろうか?
「僕の方が、上等のスィーツを用意できますよ?どうですか、黒羽君」
そこは警視総監の息子、白馬探。家の金だが、関係無し!愛の為に大盤振る舞いである。
「ハッ、俺の家だって金持ちだぜ?快斗、今度スィートホテル最上階の展望レストラン貸し切ってやるよ。」
「や、別にいいし・・・」
父親が世界的マジシャンであっても随分昔に他界しており、今では母一つ子一つで頑張っている身、あくまで庶民な快斗はそんな堅苦しい所は苦手である。
困り顔の快斗に、白馬が助け舟を出した。
それが役に立つかどうかは別として。
「あなたはまだ子供でしょう?あなたが何それ出来るわけじゃない」
「・・・テメーも子供の癖に。」
ぼそっと呟いたコナンの一言に、白馬の方からピシっと何かが固まるようなむしろ何かが切れたような音がした。
バチバチと、今度はコナンと白馬の間に散る火花に、快斗は大きく溜息を吐いた。
「黒羽君、行きましょうか?」
「うん。青子も行くか?」
「モチロン!青子ね、ストロベリーケーキが食べたいなぁ〜っ」
こうして、言い争う二人を残し、哀と青子と快斗は甘味屋巡りへの旅へ旅立った。
<END>
年下の彼氏も素敵なような気がしないでもないようなそうでないような。
コナン「どっちだよ」
快斗「だって、ねぇ?」
皆(コナン除)「鬼畜眼鏡に追い掛け回されたらそりゃあ嫌でしょうよ」
コナン「・・・・。(怒)」