その日、怪盗KIDの予告状が届く。
内容は、殺人の、犯行声明。
―ANGEL or BIRD―
「お前じゃないんだろ?」
「―――さぁね。名探偵は、俺を買い被り過ぎだよ」
いつもと違う快斗の雰囲気に俺は少し戸惑った。
今はキッドだからだろうか?
このところ、快斗、としてしか会っていなかったので、勝手が狂う。
まぁ、どちらにせよ。
人を惹き付ける天才には変わりはなく、人を照らす陽の光のようであるか、人を狂わす程に魅惑的な月のようであるかなだけだ。
しかし、その鳥は自由奔放で、人に懐いているようで、中々懐かない。
せっかく俺の元に居るというのに、人に渡すつもりなど毛頭無い。
そんな快斗の夜の仕事の姿である、可愛げの無い言葉を吐く怪盗の腕をグイと無理に捕えて、この腕に抱きこんだ。
「ぜってー、此処に帰って来いよ。お前の居場所は此処にあるんだから」
「・・・ん。―――ありがとう。新一。
――――あの、さ。俺―――・・・」
言葉は、続かず。そのまま途切れ。
快斗は緩く息を吐き出すと、手を突っ張り、俺から離れた。
このまま暫らく彼は、警察に追われ皆に称えられる月になるのかと思うと少し寂しく、咄嗟に彼の着ているスーツのネクタイを掴むが、すぐに振り払われた。
はらり、とネクタイからこの手が離れる。
それが、何かを象徴しているようで。
俺は、未だ見ぬ未来を恐れた。
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