気高く美しいココロ?
結局。
全てはエゴに還って行くのさ。
―ANGEL or BIRD―
警察が怪盗を探し回る中、俺は一人、とあるビルの屋上に来ていた。
そこに、皆が血眼になって探している彼の人物は居た。
フェンスに腰掛け、その手には何かを持って。
「キッド・・・」
俺の呼びかけに。その人物が、振り向く。
「おや、名探偵も私を逮捕なさりにいらっしゃったのですか?」
ふわり、と。
その人物が先程染まった色と同じ色のネクタイが風に吹かれて、宙に舞う。
先程撃たれたのが嘘のように、怪盗は何処までも綺麗に笑う。
そして、ネクタイについていた筈の盗聴器が一体どうやったのか、いつの間にか俺の手元にあった。
盗聴器は、壊されていた。
怪盗は、その手に持った銃をくるりと回して弄んでいる。
「―――おいっ!わかってるのか!?
これがあれば今回の事は、あいつが全て仕組んだ事だと・・・自殺だったって事の証拠になったんだぞ!?」
俺は、理解出来なかった。
何故。
何故!!
どいつもこいつも、自分勝手な行動ばかり取るんだ。
そして、一番理解に苦しむのが、この目の前の男だ。
俺は怒りと哀しみとが綯い交ぜになった感情をぶつけようとし、けれど今更どうしようもない事もわかっており。
只、噛み切らん程に強く、唇を噛み締めた。
俺の興奮が冷めるまで、少し間を置いた後で、怪盗は口を開いた。
「なぁ、知ってるか?あの警官が、中森警部の部下だった事。
もし、この事がばれたら中森警部はどうなる?
もう、いいじゃん。今さら誰にどう思われようと」
――――――どうせ、俺は犯罪者なんだから、さ。
構いやしない。
そう笑う怪盗が。
快斗が。
俺には、痛くて痛くて。
気付かない内に手を伸ばし。
この、両手は。
鳥を、捕えていた。
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